種類株式の発行・変更について
種類株式制度とは、異なる権利内容をもつ複数の株式を発行することができる仕組みで、
経営支配権の調整、配当の優先、譲渡制限の設定など、柔軟な資本政策を実現するために活用されます。
種類株式の発行または変更を行う場合には、株主総会特別決議と登記申請手続きが必要です。
制度の設計を誤ると後のトラブルに発展するリスクがあるため、慎重な検討と専門的な対応が求められます。
種類株式とは?
- 会社法で認められる種類株式の概要(議決権制限、配当優先、残余財産優先、取得条項、等)
- 種類株式の導入目的(創業者の議決権維持、投資家保護、相続対策、など)
種類株式の発行・変更が必要となる場面
- 種類株式を新たに発行する場合
- 既存の普通株式の一部を種類株式へ転換する場合
- すでに発行していた種類株式を廃止・統合する場合
登記手続のポイント
- 登記事項となる内容
- 発行可能株式総数の変更: 必要に応じて、発行可能株式総数を変更します。
- 発行する株式の内容: 発行する株式の具体的な内容を決定します。
- 資本金の額の変更: 資本金の変更がある場合は、その内容を反映します。
- 発行済株式の総数と種類: 発行済株式の総数およびその種類ごとの数を明確にします。
- 発行・変更・廃止それぞれの登記要否の違い
- 種類株式を設計する際の定款変更内容
種類株式を発行する手続の流れ
種類株式の設計
議決権の有無や配当の優先など、発行する種類株式の内容を検討します。
定款変更の決議
株主総会の特別決議で、種類株式の内容を定款に反映します。内容によっては種類株主総会も必要です。
募集事項の決定と引受契約
発行価格や払込期日などを決定し、引受人と契約(総数引受契約など)を締結します。
払込の実行と証拠書類の整備
指定口座に資金が払込まれたことを通帳等で証明します。
登記申請
払込完了から2週間以内に、法務局へ登記を行います。
※既存株式の変更(普通株式から種類株式)や種類株式の廃止などのケースでは、一部フローが異なります。
株式の転換(普通株式から種類株式へ)
株主総会で発行する種類株式の内容を決定
種類株式へ変更を希望する株主と会社の合意
普通株式に留まる株主全員の同意
管轄法務局へ登記申請
種類株式の廃止
- 実際に種類株式を発行している場合: 普通株主総会の決議と種類株主総会を開催し、普通株式への変更を決定します。
- 種類株式が発行されていない場合: 定款変更決議(株主総会特別決議)のみで、種類株式発行会社の記載を削除できます。
実務上の注意点
- 種類株主総会が必要となるケース
- 譲渡制限や取得条項株式を設定する場合の特別決議要件
- 配当や議決権の不均衡によるトラブルリスクと定款整備の重要性
ご依頼から登記お手続き完了までの流れ
お問い合わせ・
ヒアリングシート
- お問い合わせフォームからご連絡ください。
- 会社名、現在の株主構成、減資額等をヒアリングいたします。
- 必要書類やスケジュール感をご案内いたします。
書類作成・ご署名・
ご捺印
- 当事務所にて、種類株式の発行・変更の登記申請に必要となる書類一式を作成いたします。
- ご確認のうえ、署名・捺印をいただき、書類をご返送ください。
- 登記添付書類についてもご案内いたします。
登記申請・完了報告・
納品
- 当事務所で登記書類を作成後、郵送またはデータ送付にてご案内します。
- 書類にご捺印または電子署名をいただき、ご返送ください。
- 必要書類が揃い次第、登記申請を行います。法務局への登記申請は、すべて当事務所が対応いたします。
- 登記完了後、登記事項証明書(登記簿)を取得し、納品いたします。
登記費用
- 当事務所報酬
- 登録免許税: 印紙代などの実費が別途発生します。
100,000円〜
※複雑な案件の場合は、内容に応じて別途費用をお見積もりいたします。
※お急ぎ(2営業日以内での手続き対応)をご希望の場合は、別途特急対応費を頂戴いたします。
ご依頼の際にご用意いただくもの
- 会社の登記簿謄本
- 定款(紛失している場合はご相談ください)
- 代表者の身分証明書(写し)
当事務所に依頼するメリット
- 商業登記専門の司法書士による正確かつ迅速な対応
- 上場会社・特殊法人等の高度な登記手続にも多数の対応実績
- 登記完了後も、法務相談や役員変更など継続的な支援が可能
- 弁護士、税理士、社会保険労務士など各種専門家との連携体制を完備
- 完全オンライン登記申請に対応(来所・郵送不要で全国どこからでもご依頼が可能)
よくあるご質問
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てst
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配当優先株式の参加株式と非参加株式・累積型と非累積型について、実務上はどのように選択するのが一般的ですか?
従業員持株会など内部株主の場合は「非累積」、外部の投資家に優先株式を持ってもらう場合は「累積」とすることが多いです。
詳細はこちらのコラムでも解説をしています。
(リンク:種類株式における参加・非参加、累積・非累積の仕組みと実務上の取扱い) -
種類株式の内容として定款に「参加・非参加」「累積・非累積」の規定を記載し忘れた場合はどうなりますか?
この場合、「累積・非参加」と解されます。つまり、未払分は翌年度以降に繰り越されますが、追加配当には参加できません。
詳細はこちらのコラムでも解説をしています。
(リンク:種類株式における参加・非参加、累積・非累積の仕組みと実務上の取扱い) -
配当優先株式の「累積型」と「非累積型」の違いは何ですか?
累積型は、未払の優先配当を翌年度以降に繰り越して受け取れます。非累積型は、その年度に支払われなかった優先配当は切り捨てとなります。
詳細はこちらのコラムでも解説をしています。
(リンク:種類株式における参加・非参加、累積・非累積の仕組みと実務上の取扱い) -
配当優先株式の「参加型」と「非参加型」の違いは何ですか?
参加型は、優先配当を受け取った後、普通株主と同様に残余の配当に参加できます。非参加型は、優先配当分のみを受け取り、それ以上の配当には加わりません。
詳細はこちらのコラムでも解説をしています。
(リンク:種類株式における参加・非参加、累積・非累積の仕組みと実務上の取扱い)
お手続きのご依頼・ご相談
当事務所では、上場企業、大会社やスタートアップの法務支援を多数手がけており、複雑な案件はもちろん、日常的な変更登記にも丁寧に対応しています。書類の作成から申請完了まで、スムーズに進められる体制を整えています。初めてのご依頼でも問題ありません。制度のことがわからなくても、必要な情報はこちらで整理しながらご案内します。
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い。