会社の資金調達・担保設定のための登記制度(法的対抗要件の確保)
不動産を保有していない会社でも、売掛金や在庫商品といった資産を活用して資金調達するニーズは年々高まっています。こうした会社の担保ニーズに応える制度として、債権譲渡登記・動産譲渡登記があります。
これらの登記は、民法上の第三者対抗要件(通知・承諾・確定日付)を代替し、公示力のある登記記録として債権や動産の譲渡の事実を証明する手段として機能します。
当事務所では、債権譲渡・動産譲渡登記について、登記事項の整理から申請書類作成・申請代理まで一括して対応可能です。確実かつ安全な取引スキームの設計を支援します。
債権譲渡登記とは
売掛金・代金債権などの金銭債権を、譲渡・担保設定・ファクタリング等の目的で譲渡する際に、第三者対抗要件を確保するための登記です。
主な利用目的
- 債権を担保にした資金調達(ABL)
- 支払猶予・再建スキームにおける担保提供
- ファクタリング契約・信用補完
- 不特定の将来債権の包括譲渡
特徴・メリット
- 債務者の承諾や確定日付を不要とする民法特例(法人限定)
- 債務者多数・債権多数の場合でも、内容証明等に代わりコストを抑えて対抗要件を備えられる
- 公示性が高く、第三者に対する安全性・証拠力がある
留意点
- 譲渡人は法人に限られます(個人は不可)
- 譲渡対象は金銭債権に限られます
動産譲渡登記とは
会社が保有する商品・機械設備・在庫等を担保とする動産譲渡契約について、その譲渡を登記によって公示し、第三者対抗要件を確保する制度です。
利用シーン
- 在庫を活用したABL(Asset Based Lending)
- 機械・設備・動産の譲渡担保による融資
- 商品証券化・流動化取引
従来の問題点と解決
- 占有改定による対抗要件は外形的把握が困難で、二重譲渡・詐害のリスクがある
- 動産譲渡登記により、”占有”に代わり登記によって対抗要件を確保できる
制度概要
- 譲渡人は法人に限定
- 動産の実占有者が譲渡人でなくても登記可(例:倉庫業者)
- 登記により、民法178条の”引渡し”があったものとみなされる
登記の類型
登記手続 | 備考 |
---|---|
債権譲渡登記 | 基本となる登記。債権の対抗要件確保 |
動産譲渡登記 | 動産担保化・資金調達に活用 |
延長登記 | 有効期間(原則50年/将来債権10年)の更新 |
抹消登記 | 担保解消・契約終了時の処理 |
登録免許税・当事務所報酬(税抜)
債権譲渡登記
債権件数 | 登録免許税 | 報酬 |
---|---|---|
5,000件以下 | 7,500円 | 150,000円~ |
5,000件超 | 15,000円 | 別途見積 |
動産譲渡登記
区分 | 登録免許税 | 報酬 |
---|---|---|
1件につき | 7,500円 | 150,000円~ |
ご依頼時に必要な情報
- 譲渡人(会社)の商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 譲受人の本人確認資料(会社:登記簿謄本/個人:住民票)
- 代表者印鑑証明書
- 債権・動産の明細(一覧リスト・契約書案)
- 存続期間に関する資料(将来債権の場合10年制限あり)
手続きのご依頼・ご相談
債権・動産の譲渡登記は、金融取引・事業再編・資金繰りの戦略として活用される高度な手続であり、正確な設計と登記事項の整理が不可欠です。
当事務所では、登記制度と取引実務の両面に精通した司法書士が、事前のスキーム設計段階から登記完了まで一貫して対応いたします。
複雑な登記事案や、大量件数にわたる債権一覧への対応実績も多数ございます。債権譲渡登記・動産譲渡登記をご検討中の方は、まずはご相談ください。
相談事例
ご依頼から手続きの流れ
お問い合わせ・ヒアリング
メールまたはLINE にてご相談を承ります。譲渡予定の債権・取引スキームについて簡単にヒアリングさせていただき、手続きの流れ・必要書類・費用のお見積りをご案内いたします。
当事務所
債権・動産の事前確認
譲渡予定の債権や動産が、すでに第三者へ譲渡・登記されていないかを確認します。法務局から登記事項概要証明書を取得し、事前にリスクを洗い出します。
当事務所
必要書類の
ご案内・作成
ヒアリング内容に基づき、当事務所にて登記に必要な書類一式を作成いたします。書類はメール添付またはご郵送での対応が可能です。
書類への署名・押印
作成済み書類をご確認のうえ、ご署名・ご捺印をお願いいたします。返送後、当事務所にて登記準備を進めます。
※マイナンバーカードをお持ちの方は、電子署名による完全オンライン対応も可能です。
当事務所
登記申請と証明書の交付
当事務所が代理人として法務局へ登記申請を行います。原則、譲渡人・譲受人がそろって申請する必要がありますが、司法書士が代理することで来庁不要となります。
登記完了後、債権譲渡登記ファイルに記録された登記事項証明書を取得し、債務者へ交付いたします。これにより、民法第467 条に定める「確定日付による通知」として第三者対抗要件を具備することになります。
よくあるご質問
-
てst
-
債権譲渡登記の譲渡人は法人に限られますが譲受人も法人に限られるのですか?
債権譲渡人は、「法人」に限定されます。一方譲受人は、法人である必要はありません。
「法人」に限定する趣旨は、債権を活用した企業の資金調達の円滑化を図るためだからです。 -
債務者への登記事項証明書の交付は、譲渡人と譲受人どちらから行う必要がありますか
いずれからでも問題ありません。
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